セルクルの野菜<2>
セルクルの野菜の続きです。今回は『朝採り野菜』についてのお話です。
朝採り野菜のすごさ
前回書いたように、セルクルでは近隣地場野菜の市場に買い付けに行っています。そこでは基本的に販売日の朝に収穫した『朝採り野菜』が中心に並んでいます。
もちろん根菜類は前日に収穫して泥落としをしてから翌朝に販売していると思いますが、葉物類は間違いなくその日の朝に収穫したものがほとんど。商品名に「朝採り」と書いてあるものもないのもありますが、基本的に収穫したばかりなのは野菜を見ればすぐにわかります(雨の日は野菜が濡れているし出荷量も減る)。朝10時ごろに着いて店内を見渡すと、農家の方たちが続々と商品を陳列台に並べている姿も見掛けます。早朝に収穫しても袋詰作業が終わるのがそのぐらいの時間になるのでしょう。珍しい野菜があれば、生産者に直接料理方法を聞くこともできます。
ここの野菜を購入してすぐに3つの冷蔵庫に分けて保管しますが、朝採り野菜のすごさがわかるのは保管したあとです。月曜日か火曜日に購入してその週のランチメニューを完成させ、水曜日からの営業に備えますが、木曜あたりまで新鮮なのは予想できますよね。でも冷暗所で静かに適切に保存してやれば、金曜、土曜、なんと日曜日までパキッと音がするぐらいの新鮮さをキープしているのです。これは本当に驚きます。普通のルートで買ってきたばかりの野菜より、5日間冷蔵保管していた朝採り野菜のほうが明らかに新鮮という事実は、最初は本当に驚きました。しかし間の流通過程を完全にすっ飛ばしているので、考えれば当たり前なのかもしれません。また、近隣の農家さんが良質で元気のある野菜を育ててくれているおかげかもしれません。
ちなみに、地場野菜は常に種類豊富なわけではありません。天候不順が続いたり、厳冬期や酷暑期には市場に出回る野菜が極端に減少します。そういう場合はメニューの工夫などでなんとか乗り切ろうとしますが、乗り切れない場合もあります。そんなときは朝採りではない野菜も購入していますので念の為。
ただし、セルクルの方針としては「美味しい野菜を仕入れるためには手間を惜しまない」ことは徹底しています。調理方法も素材の味を生かした手法がメイン、最近は少なくなった『旬野菜のパワー』を味わってみてやってください。